オー:ちなみにその給食は美味しかったですか?

中野:美味しかったですよ。カレーが一番好きでした。リフトであがってきた給食を配膳係りが配膳して、っていうのは、隣の高島ではなかったんで、高島に対して優越感を覚えたというか・・・

坂本:端島の人にとって、高島への優越感っていうのは凄く大事なことだったんです。

オー:高島は軍艦島の隣の大きな炭鉱で、軍艦島の親会社的なところでしたよね

坂本:軍艦島は高島炭鉱端島鉱業所ですから、高島は親なんですけど、親には負けたくない、と。大人も子供も高島だけには負けたくない。そういうところがありました。今でもそうですけど(笑



オー:あとレジャーなんかはどんなものでしたか?殆どは島を出てのものだったと聞いてますが。

中野:一番楽しみだったのは海水浴ですね。島の回りが海のわりには泳げないんで、ポンポン船て言うんですか、それに乗って対岸の海水浴場へ行って、そこで3時間くらい過ごして戻ってくるんですけど・・・あっ、こんな感じでしたね
(当時の海水浴の映像が上映。対岸の高浜海岸での海水浴。海の向こうに端島がみえる)
映像を見て貰ってもわかるように、楽しそうでしょ!これ、行くのが楽しみで楽しみでしょうがなかったんですよ。

坂本:野母崎の海水浴場へ行っている様子ですね。沖の方に朝顔(三菱の旅客船)が止まって、小舟で来たんだと思います。

オー:(映像を指して)この間(高浜海岸と軍艦島の間)を泳いだ人はいますか?

坂本:流れが凄いですから、いたかもわかりませんが、記憶にはありませんね。

オー:例えば島から飛び降りて回りを泳ぐとかはなかったんですか。

中野:波が荒くて恐いです。泳げないですね。

坂本:遊泳は禁止だったんで、島の中にプールがあって、そこで泳ぐのが基本でしたね。



オー:軍艦島のデートはどんな感じだったかを聞かせて頂ければと思いますが

坂本:屋上は結構デートの場所だったんですね。初心者向けが神社で(笑 それから少づつ高いところへ移って行くんです(笑 で、最後には3号棟っていう一番高い建物で、これはどこからもみえません。ここにたどり着けると恋愛も成就したということなんでしょうが、そこに立って眺めると、いろんな屋上にいろんなカップルが見えるんです(笑

中野:島にいたのは中学卒業までですから恋愛までは行かないですけど、一度だけラブレター貰いまして、ドルフィン桟橋という、船が発着するところで何時に逢おうか、と・・・当時かっこつけるためには遅れていくもんだという風習を聞いてましたんで、20分位遅れて行きましたかね。でもちゃんと待っててくれたんですけど、その娘とはそれだけで、恋愛ゲームをちょっとやったというくらいで終わってますね。

オー:20分待たされて怒ってたとかはないですか?

中野:それは〜ないとおもいますよ。意外ともてましたんで・・・(笑

※ここで10分間休憩

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