島の内海側半分は砿業所と呼ばれる炭鉱施設があったが、殆ど崩壊し当時を偲ぶことはできない。
20世紀の日本を支えたエネルギーの生産過程ががここに眠っている。
資材倉庫
堤防沿いの学校の近くにある資材倉庫と呼ばれた建物。建物の形といい、窓の形とい
い、変わった建造物が多い炭鉱施設の中でも特に異彩を放つ、空想上の世界に出てく
るような建物。
変電所
三菱の炭鉱の中では最も早くから発電所を建設していた端島は、大正の初期に、親会社
にあたる高島からの送電によって操業するようになり、発電所も変電所にかわった。炭砿は24時間操業のため、
島から灯りが消えることはなく、さながら不夜城のようだった。
第四竪坑(だいよんたてこう)
竪坑とは地底の石炭採掘現場へ行く作業員の昇降や、採掘された石炭の運び出し、地
下坑道の空気の循環などの目的で使われる深い竪穴のこと。大正14年(1925)完成、
深さ370mのこの竪坑は、主に坑内換気のために使われた。
四坑捲座(よんこうまきざ)
竪坑を昇降するケージ(エレベーターのようなもの)のワイヤーの巻揚機室跡。
宮崎駿の名作『天空の城ラピュタ』の冒頭シーンは、この捲座での作業風景をベースにしたものだろう。
煉瓦の赤が緑に映える。
圧気室(コンプレッサ・ルーム)
炭鉱の坑内は火気厳禁のため、掘削をはじめとした動力に火花の出るものは使えなか
った。そのため圧縮空気による動力を利用した機器が多く、その動力をつくり出す施
設も充実していた。
第二主要扇風機室
扇風機室とは、坑道内の空気を常に新鮮に保つために坑道の出口に設置し、坑内の空
気を排出させる扇風機がある施設。メインの扇風機が故障等で停止した時に稼動する
予備の扇風機室は、オレンジ色の壁の分厚いコンクリートで造られたものだった。
風道弁室
風道弁室とは、坑内の空気の通り道の地出口への直前の位置にある、空気の道筋を変更で
きる装置。地底で働く炭鉱マン達の命を守った施設跡は、鉱業所の生い茂る植物の中
に、ひっそりと埋もれている。
貯炭ベルトコンベアー
産出された石炭は、様々な行程を経て精製され、この支柱の上に乗ったコンベアで運ばれて出炭された。
操業時はこの一帯は石炭が積み上がり、沢山のコンベアや大小様々な鉱業所施設が
ひしめいていたが、殆どが崩壊し、今では古代遺跡のような風景になっている。
外観
内観変電盤
内観−坑口跡
外観東面
内観
内観
外観
支柱跡