本殿が朽ち鳥居はかけようとも、今も島の安全を見守っている端島神社。
宗派を越えて法事を行った島内唯一の寺、泉福寺。
1号棟 端島神社
昭和11年 (1936) 築。木造。
島の最高部の一端にある神社。かつては拝殿もあったが、現在は倒壊し、神殿のみが
残っている。神殿は約4.5mの高さがあり、画像の印象よりは遥かに大きい。
外観
1号棟 端島神社
祀られていたのは金比羅さんだったということだが、炭鉱の山の神の祭事<山神祭>
が毎年行われてもいた。安全祈願のための御輿をはじめ、かなり盛大だったことが当
時の写真をみると伺える。
神殿外観
1号棟 端島神社
境内には戦没慰霊碑と忠魂碑が残っている。戦没慰霊碑は昭和36年 (1961) に建立
されたものだが、忠魂碑の方はいつからあったものか定かではなく、碑文も磨耗して
読めない。昭和の11年の建て替え前までは、隣に砲弾のモニュメントがあったという話もある。
戦没慰霊碑
1号棟 端島神社
島内にあった唯一の寺、大正10年 (1921) 築の泉福寺は、禅寺だったが宗派を越えて法事を行ったので、
全宗の寺といわれた。建物は殆ど崩壊し、玄関脇にあった地蔵尊だけが残っているが、
その痩せた御姿はまるでこの島と供に入定するかのようだ。
地蔵尊
1号棟 端島神社
木造2階建ての2階部分が寺院で、1階は戦前は女子独身寮、閉山まぎわは女子看護
婦寮として使われていた。1階の一部分だけなぜか鉄筋コンクリの構造のため、今
も残存している。
女子看護婦寮